1.《ネタバレ》 一攫千金を狙ったポルノ映画を撮るためにテキサスの人里離れた農場を借りたら、そこは殺人鬼老夫婦の棲家だった、というベタベタな70年代スラッシャームービーのようなお話。登場人物はキャラが立っていて世界観はまさにあの時代のようだし雰囲気抜群でとても良かったです。『悪魔のいけにえ』『悪魔の沼』の合わせ技のような映画だったかな。 が、舞台は整っているのに殺人老夫婦には異常性も狂気も信念も感じなかったな。老婆パールは主役の若く女性としての魅力があるマキシーン(演じたミア・ゴスはパールと二役)を若い頃の自分と重ねたりスイッチが入ったようにも見せてたけど普段から殺しまくっているようですし、その殺人衝動のあるパールを隠し守るためにだけ生きているんでしょうかねハワード。もうひと押しふた押しなんか欲しかったしカメラワークも演出も中途半端でテンポも悪く感じましたが、ハワードとパールの老人らしいフリの回収のトコだけは大笑いしました。あと、腰をやっちゃったのにわざわざ轢かれるために車の動線に入るパールも良かったです。トップロープからのフィニッシュ・ホールドへ繋げるためのセッティング位置が悪く「ここじゃ届かねえだろ」と相手を気遣い、「ダメージありますよ」という体を装いフラつきながら近寄って倒れてあげる負け役レスラーのような暖かさを感じました。 最後に流れる前日譚の予告編を見た感じ、次の方がずっと面白そうだし老夫婦がなぜこうなったかというのを描いてるようですし、全景がわからない状態でチラ見せされたせいで余計考えちゃいました。上映時間が伸びるけど前日譚は組み込むなり二部構成なりでイッキ見させた方が良かった気がしますね。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 4点(2022-07-13 23:10:56) |