1.《ネタバレ》 「無法松」というからには、もっと無茶苦茶な男を想像していたんだけど、大きく予想に反しました。あの程度の乱暴は現在の視点なら「合法」でしょう。一途で義理堅く子供好きな男の健気な生き様でした。自分の恋心を切り出せずに、その純情を墓まで持って行ったのは、死んだ旦那に対する義理だったのでしょうか。コンセプトが一貫している生き方は潔く美しいと思います。でも、自分は観賞後にすっきりしないものがまとわりつきました。というか、映画自体が面白く感じられなかった。それは主人公の「一生」が最も大切なものを我慢していたからだと思います。我慢を美徳とする精神があるならば、それは間違いも内包していると思います。