6.《ネタバレ》 ああ・・アラン・パーカー作品ってことだけのようだ・・
映像美と音楽で壮大なテーマの作品が多い。
これは私には失敗だった。
実話を基にしアイルランド移民の子供が貧乏にも負けないで生きる。
そこには差別やら飲んだくれの父親やら兄弟の死やらと、
決して明るくはないネタをコミカルに描いているんです。
暗いのか明るいのか何なんだ・・
しかもひとりづつ兄弟が栄養失調で死んでいくのを、
淡々と描いていくので悲惨さもあまり感じられず。
音楽は全編を通して明るい・・
イングランド、アイルランド・・とくればIRA、
宗教差別も手伝って時代も背景も難解。
カトリックとプロテスタントに詳しくなければついてゆけない。
それでもこれは貧困に負けずに希望をアメリカへと望んだ、
ある少年の(勝ち組)物語。
感動できない・・
漫画や小説でこういった貧困物語を読むのも嫌なのに、
映画で観るともうしらけてしまいます。
好きな人も感動する人もいるかとは思いますが・・
この実話を書いた作者が言うに、
子供時代に幸せだったなんて何の価値もない。
私はそこからバネにしてどうなるかが見たかったんですが、
これでは俺の不幸な過去を見てくれという感じで、
それもアメリカ中が涙した原作というだけあって、
自分の不幸に酔っているとしか思えない・・
という見方をするのもいやらしいんですが、
私には根性者、成り上がり成功者とかの物語は合わないのかも・・
成功した人が落ちていく物語は好きです(変?)
落ちていく過程で何もなくなり本当に大事なものが残る・・
そんな物語のほうが好きだな。
この物語は本当は不幸な幼少時の忘れたい過去が、
本当はかけがえのない宝物だったということなんですが・・
なぜなら自分の過去を書物にしそれで成功した男の物語なのです。