4.《ネタバレ》 理不尽で不可解な超常現象に対して、人間が右往左往しながら対峙する物語。基本的に、怪獣映画のセンスで作られているが、異常事態が発生した時の政治家たちや報道機関、安全地帯にいる一般人などを、リアルに描こうとする姿勢が見て取れ、まだゴジラシリーズよりはまともに見れる。もっとも、SCMトラックなどはメーサー砲のセンスで辟易ではある。
この東京を包み込む謎の雲の正体が、全く語られないのが逆に良かった。自然現象と説明するのは無理がありすぎるし、兵器・地球外からのいたずらや攻撃などでも規模が規模だけにウソっぽい。人間にはどうしようもない事のメタファとしてそのままで良いと思う。
電気的な特徴を持っているとか、薄い皮のような状態だとかの、雲の詳細が少しづつ分かってくるあたりは、とてもワクワクする面白さなのだが、人間の家族ドラマのほうがありきたりで、つまらない。さらに「特殊兵器」への展開には、やっぱり日本のSFなのだなあ、と思い知らされる。