2.《ネタバレ》 すっきりしない作品でした。
6歳の少年が死に、正義の警官が死に、その警官の無念をはらそうと協力しようとしていたビニーが殺され、やはり協力しようとしていたスチュワーツも殺され、自業自得ではありますがアンセルモは自殺を強要され、これだけ一般人が死んでいるのに、終始ポリティカル・サスペンスの枠内に収めようとしていたことに違和感を感じます。
何より、元凶の一人であるマフィアのボスは劇中なんの天誅も下りません。パパスにいたっては、一見良い話っぽくまとめましたが、ケヴィンが情に流され彼に社会的な責任をとらさずに表舞台から退かせるに留めた結論には大変不満が残ります。
第一、物語を少しでもわかりやすく伝えようとする気持ちがこの作品からは伝わりません。やや複雑な話を、難解なまま伝えるだけでは芸がなさすぎます。もっと面白く、もっとわかりやすく、もっと落としどころを明確にした作品にだってできたのではないかと思います。私は個人的に、こういう作り手達の自己陶酔型の作品は好きではありません。