1.《ネタバレ》 死に向き合うことで生が救済される……大筋では「おくりびと」をやりたかったのかな、と思うんだけど。高校時代のカットインが邪魔だなあ……。停滞を招くばかりでなく、過度に嫌らしくて、とげとげしくて、想像上の「現代の若者」像を延々と見せられて辟易する。「世の中のリアルを描きたい」傾向の映画だと思うんだけど、出てくる人物がどうにもリアルじゃない。ありがちな「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!」って演出にもうんざり。
それと腹が立ったのは、キョウヘイが檀れいに手紙を届ける件。キョウヘイが、彼自身の心を救済するために行ったエゴを、正しかったと断定して描いて欲しくなかった。読んで母の思いを受け取ったかも知れないし、一瞥もくれず破棄したかも知れない。受け取った側がどう処理するかは、観客の感性に委ねて欲しかった。また全体として、キョウヘイが「こうあるべき」と考える物事の姿に拘泥して突っ走る姿に、あまり共感できなかった。
サソウさんの滋味が良かったなあ。サソウさんとキョウヘイをコンビにして、あくまでも特殊清掃を中心に据えて物語を転がした方が良かったのでは。でも、それじゃあまりにも「おくりびと」か。