2.《ネタバレ》 ん~・・・違う、こうじゃない!こうじゃないんだよな~。なんかもっと観ているこっちを、精神的に追い詰めてくるような、最悪なものを期待してたんだけどな~。「SAW」や「セブン」のようなやつ。結局主人公もその家族もみんな助かっちゃってさ。なんだかな~ですよ。どうしても禁断の領域に踏み込めないんですかね、今の自主規制か何かで?分からないけど。もしそんな自主規制があるならこういった類の作品は、作らないほうがいいよ。中途半端になるだけだから。
最悪なものを期待してたって言ったけど、たしかにあの終わり方はその後の悲劇を想像は出来ますよ。でもそれってあくまでも”かもしれない”じゃないですか。主人公の子供は犯人と同じ道をたどる、かもしれない。無実の人間を死に追いやってしまったと奥さんは精神を病む、かもしれない。どちらも断定はできないですよね。まあね、あやふやさが逆にジワジワとした怖さとも言えなくはないけど。
怖さという点においても、この作品はちょっと、映画というよりTVドラマみたいで臨場感が薄れまくりですね。カメラアングルしかり、ライティングしかり、編集しかり、そしてなによりも一番見せるべきカエル男の作品(遺体)そのものの見せ方が中途半端。これもやはり自主規制の問題ですか?R指定の?とにかくそこに恐怖や残酷さ、おぞましさの異様さが薄い薄い。斉藤さんの頭の毛ぐらい薄い!
それとね、カエル男くんは己をアーチストと豪語するのなら、芸術でもなんでもないような殺人は犯しちゃダメでしょ。主人公の相棒を屋上から落としたやつね。アレは芸術じゃないからね。貫いて欲しかったよ、アーチストとしての信念を。
ただ小栗旬の演技だけは賞賛できるね。彼があれだけ頑張ってんのがもったいなく思っちゃったよ。
終演後に観客の一人が帰り際に、原作通りだった、と言っているのが聞こえた。
でも原作は原作、映画は映画ですから。原作を知らない人でも、納得のいくものを提供してナンボだと思うんで。以上です。