2.ジョージ・ロイ・ヒルは大好きな監督の1人ですが、本作はずっと未見だった作品。
ドラマーの少女を主人公に、「リトル・ロマンス」のようにローティーンの少女の恋や悩みなんかを描いた映画のように見えるタイトルですが、原作はジョン・ル・カレ。勿論そんなお話であるはずはなく、暴力とその報復の連鎖が止まらない中東を舞台に諜報機関やテロ組織が暗躍する映画となっています。
パレスチナとイスラエルの両陣営の狭間で揺れるヒロインのチャーリー役にダイアン・キートン。話自体は分かりやすい。しかし…。こういうスパイ・サスペンスにしてはユルいんですよね。政治的信念は持っていながらも、こういう世界には素人のチャーリーはかなり危ない橋を幾度となく渡っているんですが、その辺の緊迫感も薄い。ダイアン・キートンは嫌いじゃないんですが、本作に関しては彼女からもそういった雰囲気が伝わってきませんでした。