3.この作品を観ていて、なんとなくピノキオに似ているなぁと思った。
つまりは、子供が主体で、その純粋さを浮かび上がらせている事。
良心はジミニーであり、ウェンディ。
きちんと親もいるから、観ている側としても、これらが「帰るべき場所」だと意識している。
でもピノキオと違うのは、大人への成長を、彼ら自身が気づくというテーマにある。だって、唯一の良心ウェンディですら、子供なのだから。
そして、大人になりたがらないピーターパン。
他のレビューにもある通り、ネバーランドに行ってからは、稚拙な、子供っぽい冒険劇が繰り広げられる。
子供は時には純粋に残酷な事をしてしまう、というのレビューもうなずける。
でもこれらの根底には、「子供のままでいたいピーターパン」「子供が作り出したような、夢の世界」という前提があるので、
なんとなく奇妙だなぁ・・・と思いながら見ていた。
ピーターパン・シンドロームとかいう言葉もあるくらいだし。
だから、ピーターパンはどうなっちゃうんだろう、という不安が拭えないまま終わるのは、子供向けとは思えないちょっと奇妙な雰囲気を残す。
純粋に楽しむには、あんまり薦められないかなぁ・・・
ウェンディが歌を歌うシーンでちょっとほろっときた。