4.《ネタバレ》 私の中では「どうしてこうなった」一本として印象に残る。
2021年「角川映画祭」にて久方ぶりのスクリーン。
何故か過去に痛い目に合った作品の再鑑賞。ホント自分はひねくれ者だ。
スタッフはその時代においての最良の人材を集め、キャラクターデザインは萩尾望都、
音楽(主題歌)は竹内まりや、プロデューサーりんたろう。あ、因みに私の極私的
竹内まりやベストトラックは、ベストアルバムに未だに未収録なのが?な
「TECO'S THEME(テコのテーマ)」なんですよ。萩尾望都ならば
「トーマの心臓」「とってもしあわせモトちゃん」「イグアナの娘」がいいかな。
どーでもいいか。
今回角川映画祭の宣伝文句に「出版界の連動や当時は画期的だったTVCMを使った宣伝
など、大規模なメディアミックス展開を行い絶えず時代をリードしている~」とある。
だからこそこの作品は駄目になってしまったんだと思う。
私もたくさん見ましたよ、眉村卓の角川文庫、萩尾望都の画集、竹内まりやの音楽、
そしてファミコンのクソゲー。「一流集めたんだからみんなおいでよ」みたいな宣伝活動。
良い映画の根幹たる「魅力的な脚本とキャラクターの創造」がないがしろにされたまま。
タイムトラベルをテーマにするなら、隣に未来人がいるかもしれないリアリズム
(BTTFとかターミネーター)なり、おとぎ噺的ファンタジーに徹すればいいのに中途半端。
キャラクターの行動規範が「未来の戦争を回避する為に過去の歴史を改変する」
のは判るが「関ヶ原の戦いの結果/本能寺の変を発生させない」必然性はあるのか。
時空の間に飛ばされた森蘭丸、どうなったの?そこはラスト、現代のシーンにとりこまなきゃ。
角川映画の功績は魅力的な女優:薬師丸ひろ子/原田知世/渡辺典子の主演、
新人監督:森田芳光/相米慎二/和田誠の起用にあったと思うが、悪しき慣習を
生み出した=映画の作家性・芸術性を軽視し、スポンサーや広告会社からの
宣伝比重を大きくしてしまった点、未だに映画業界に残るよろしくない風潮を生んだのは
(あるでしょ、素人の声優とか役者とかよくわからないタイアップとか、何とか)駄目でしょ。
同じ1986年に制作された「天空の城ラピュタ」、観客動員/収入記録では
ジブリの作歴上「レッドタートル(2016)」に次いでワースト2位だけど、
その評価と後世に残した影響はそれこそレビュアーの皆様がご存じのはず。
そして何より角川映画で成功した作品は市川崑/大林宜彦/澤井信一郎といった
「プロの映画人」が制作した、作家性溢れる作品が多かった事も証明してる。
現代クールジャパン現象の根幹はアニメと漫画、ゲーム。
そういった意味では狙いの付け所はドンピシャだったのに。あ~あ。
長文失礼しました。