4.《ネタバレ》 そもそも、裁判で完全無罪が確定しているのだから、その裏をどうこう疑うような映画をわざわざ作っている時点で制作者の神経を疑うのだが、それを措いたとしても、何が表現したかったのかよく分からない作品。本体の裁判の部分は、証拠関係や審理経過のディテールを省略してしまっているせいで、著しく緊張感が薄れてしまっているし、また、視点をグレン・クローズに置いてしまったせいで、弁護人から見た人間ドラマという点でも発展性が減殺されている。結果、単に弁護団内部の表面的なやりとりを淡々となぞっただけになってしまいました。クローズとアイアンズの底力で何とか見られるものになっているだけですね。