1.ハードな絵作りには美学と誠意を感じるが、根源的な矛盾をかかえているように思う。思想がないのは別にいいのだが、とって付けたように侍批判なんかを折り込むのがむしろ見苦しい。殺陣をあれだけ活き活き表現しながら「武士なんてつまらない」もないものだと思う。女の登場人物を極端に記号的に扱っていてろくに人格を与えていないのも辛い。侍批判も結構だが、足元に転がる重大な問題についてその意識の低さが透けて見える。以前見たことをすっかり忘れて二度観となった。心に残るものがないのは純粋娯楽作として潔い証拠ともいえるが。