7.三谷幸喜作品の面白さは演劇にこそある。『12人の優しい日本人』が面白いのは会話劇だからだ。言い換えれば会話だけで人を楽しませることができるのが三谷幸喜である。ところがどうも監督は映画をしたいらしい。前作『ザ・有頂天ホテル』は『有頂天時代』と『グランドホテル』を合わせたタイトルから想像するに「映画」と「三谷演劇」の融合を試みようとしたものだったのかもしれない。しかし実際は試みてはいない。自由に視点を変えられるカメラが三谷演劇を切り取ったにすぎない。長回しは映画的空間を作らずにNGの許されない演劇の醍醐味こそを映し出していた。しかしだからこそ面白いのだ。しかししかしこの『ザ・マジックアワー』というこれ以上ないくらい映画を連想させるタイトルを冠した作品は今度こそ「映画」と「三谷演劇」の融合を試みる。演劇的な室内劇から外へ出る。カメラは何度も切り返される。クレーンで上昇もする。「映画内映画」という映画的モチーフが映される。映画に対する露骨な愛を見せてもいる。たしかに前作よりもはるかに映画に近づいた。でもそうなってくるとこれまで三谷映画で気にならなかった粗が気になってくる。融合の弊害。例えば明らかにそれとわかるセットは三谷演劇を見せるために必要な虚構を演出するアイテムなのだろうが演劇ではなく映画っぽく撮ることで不自然さだけが目立ってしまう。窓から見下ろす「外」も「外」には見えなく、「この街から出よう」と言われても街の外も想像できない。融合の途中段階として今後に期待。でも演劇的オーバーアクトのうえにさらなるオーバーアクトをのせて笑いをとるのは「演劇」ならではであって、やはり三谷は「映画」より「演劇」で魅せてほしいとも思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-12-08 12:03:39) |
6.超豪華なキャストのおかげで最後まで見ることができた。だらだらと長く、映画としての山場はないし、(各々の)俳優としての見せ場も少ない。『みんなの家』よりつまらなかった。『ラヂオの時間』はよかったんだけどね。 【フラミンゴ】さん [地上波(邦画)] 4点(2009-10-23 04:20:35) |
5.《ネタバレ》 演劇の文法で作られた映画です。良く言えば見る側がお約束を承知しておくのが前提、悪く言えば演劇独特の押しつけがましい緩さが根底にあるので受け付けない人も多いと思います。お約束を前提にした無理のある展開や物語の薄っぺらさや笑いどころの強要がそれです。受付なさはコメディというジャンルのせいではありません。例に漏れず私も見ている内にどんどん冷めてきて最後はうすら寒くて見ているのがきつくなってしまいました。設定は面白いんですから、演劇の緩い文法で満足するのではなく、映画の文法でもっと詰めて作ったものがみたいと思いました。 【kirie】さん [地上波(邦画)] 4点(2009-10-06 00:31:02) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 いや、面白いんだけどね。なんだろう、この割り切れなさは。観終わって時間が経つにつれ、素直に笑えない塊がお腹のなかで育ってる感じだ。映画の中で、映画を作るという二重構造。実は映画は作っておらず、二流俳優を使って殺し屋を演じさせているだけ。でも、この二流さんが映画を愛して止まない人で、その理由は昔観た映画の男優に強い憧れを持ったから。その憧れの男優も登場して、この映画は、映画への愛で満ちている。そこまでは分かる。でも、自分にはカメラの手前で実際に映画を製作している、監督をはじめとした方々の存在がチラつきました。エンドクレジットのセット作りやタイトルなどが好例だけど、私たちはこんなに映画を愛して愛して愛して止まない映画バカで、そんな愛情で作った映画です、という三重構造。それが全編からプンプンと臭う。自分の仕事を愛してるのは別に良いよ。映画に限らず、生業にしている仕事が好きな人は幸せモノだ。でも、それって声を大きくして言うことか? 普通は酒の席などで、ボソッと言うくらいの話だろう。つまりこの映画が、私(たち)は幸せモノだ、と吹聴している気がしてならないんだな。確かに面白かったけど、そんな自己陶酔を顕わにしたような映画に手放しで拍手できない、ひねくれモノの自分がいる。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-08-26 18:45:55) (良:1票) |
3.なんかパターン化してきていて、正直すこし飽きてきた。 映画の中だけで盛り上がってて見ている人は、そんな訳 ないでしょ みたいな冷めた目線でみてしまった。 もっと多才なところをみせてほしい。 有名役者が沢山出てきてもすべてもったいない使い方。 【K2N2M2】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-12-22 00:53:18) |
2.とても面白く笑える場所もある。あるのだが、どうにもこうにもこの舞台芝居くささが鼻についていただけなかった。 残念ながら映画として受け入れられなかった。 【からいもの】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-12-15 23:02:18) |
1.映画館で観たのですが、私も含め、みなさん爆笑してました。面白かったです。でもこれ、先が読める映画ですよね。面白いけど、新鮮味はない。私は他の三谷作品のほうが好きかな。 【paraben】さん [映画館(邦画)] 4点(2008-08-14 19:31:13) |