1.昔の古っい少女漫画を見ているような映画だった。
ヒロインに襲いかかる数々の苦難や不幸、苛め役の継母や友達がいたりして、
一番ラストになって、ヒロインは何とか救われる。
そういった少女漫画の状況設定を、レディースコミック風に仕上げたという感じ。
とにかく主要人物たちの人間描写が圧倒的に不足しており、父親の出番はほぼなし、
実母はあからさまな役割、ヒロイン役の永作は人間としての葛藤をまったく見せず、
己のエゴを貫き通しているだけ。娘役の女の子の十五年間の苦悩も二時間半という
限られた時間の中では、さすがに中途半端という印象は否めない。
一番の脇役であるはずの、小池栄子のほうが目立っちゃってるってどうなの?
演出、キャスティングに関しては、いい部分と悪い部分が混在しており、
チグハグさを感じたというのが率直な意見。
ラストの説明台詞や劇団ひとりの配役などは、映画というよりはテレビ的だよね。
言いたいことはわかるんだけど、完全に女性をターゲットにした作りで、
ひと言で言えば、女性が子宮で感じる映画だなという感想しか残らなかった。