3.《ネタバレ》 いうまでもなく原作は読んでいない。映画としてはちゃんとまとまって見えるので、これでいいという人にはいいのだろうが、自分にとっては役に立つところ(笑うとか泣くとか勉強になるとか)が全くないのは困った。とりあえず気づいたことだけ書いておく。
(1) 劇中人物の年齢と見た目が一致しない。主人公(前半のみ)と妹だけはそれらしく見えたが、それ以外は全て演者の年齢そのままに見える。主人公の彼氏とその元彼女は23~24歳、主人公も二度目のクリスマスイブの場面で満16歳にはとても見えず、その他の人物はばらばらである。少女マンガ原作で人気俳優を使う場合にはこういうのはもうどうでもいいということになっているのか。ちなみに主人公の友人ミホ(浴衣を着せられた)役の山谷花純という人がちょうど劇中年齢ぐらいと思われる。また彼氏の元彼女はオトナすぎる。
(2) 原作段階からのことかも知れないが、主人公の彼氏の父親が「許せないってことは、愛してるってこと」だと悟ったように語っていたのは、こういう人物というより好悪の感情だけがあって正邪の観念がない人間の発想ではないか。正当な理由があって憎悪しているのに「ほんとはあたしを愛してる」と脳内変換されるのではたまらない。この映画の本来の対象層はともかく、まともな大人がこういうのを真に受けてはならない。
(3) もう一つ書くかと思ったが嫌味になるのでやめる。
なお一ついいと思ったのは、主人公が本気で取り組んでいる仕事を彼氏が邪魔しなかったことで(職場から無理に連れ出して走るなど)、色恋沙汰に振り回されるだけでなく、主人公が主体性を確立していく話になっていたのはまともである。これも原作由来だろうとは思うが。
以上、いろいろと思うところはあるが、これはこれで原作ファンその他この映画の対象層に支持されるよう詳細にわたる検討の上で製作されたものと思われるので、投下された労力なり専門知識・技術に対する一定の敬意を点数に表しておく。