1.《ネタバレ》 エヴァン・ハンセンが自分宛に認めた手紙、彼のギプスに書かれた "connor" のサイン、そしてコナーの死によって、そこから思わぬドラマが生まれていく、、という、ストーリーは面白いけど・・。 困ったことに、コナーという人がどういう人間だったのか、あれだけでは全くわかりません。まず彼のことを確りと描くべきだったと思うし、彼のこと、その苦悩や人生感に共感できるからこそ、このストーリーに感動できると思うのです。 彼の両親たち。どうやら悲しんでいるようだが、なんだか白々しくて他人事のようにしか見えない。 学生たち。彼らの行為は全て「クラウドファンディング」という金集めが目的にしか見えない。 なぜなら、この人々と生前のコナーにまつわる描写を怠ったからであり、これでは関係者たちが「自己満足」に浸っているように見えても仕方がありません。 全体的に、地盤と基礎を手抜き工事して見た目だけは豪華に装った建物のように、ハリボテの薄っぺらい映画でした。 私は同監督の「ウォールフラワー」が好きで、かなり期待したのですが、本作はダメでした。思えばあれは、エマ・ワトソンとエズラ・ミラーという最強ヴィジュアルに、デヴィッド・ボウイの名曲「Heroes」の組合せがあまりにも完璧すぎた。