6.《ネタバレ》 例の「丸いアレ」に関しては、最後まで謎のままなのかなと予想していたのですが、中盤にてアッサリと正体が判明。
しかも名前も機能もそのまんま「フラフープ」とは、意表を突かれましたね。
(これって、もしかして実話物だったりするの?)と思っていた矢先に終盤は「突然の時間停止」→「天使との対話」なんてトンデモ展開が飛び出すものだから、もう吃驚。
呆れる気持ち半分、笑ってしまう気持ち半分、といったところですが、こういった悪ふざけ演出は、決して嫌いではないです。
……でも、出来ればもう少し伏線を張っておいて欲しかったなぁ、と思わされたのも事実。
ここを、もう少し丁寧に描いてくれていたら、もっと楽しめたかも知れません。
コーエン兄弟の作品にしてはブラックユーモアが薄めで、とても観やすい作りとなっているのも特徴ですね。
自分としては嬉しかったのですが、それによって個性を感じられなくなったという、痛し痒しな面もありそう。
善良だった主人公が出世によって心を歪ませてしまい、そこから改心して元に戻った後にヒロインと結ばれるハッピーエンドに関しては、非常に道徳的な作りだったと思います。
上述の「悪ふざけ」な演出と、この「道徳的」なストーリーラインのチグハグな感じを受け入れられるかどうかで、評価が変わってきそうな一本です。
とはいえ、あんまり難しく考えないで、子供向けのファンタジー映画のような感覚で観賞するのが、一番楽しめる方法なのかも知れませんね。
勤続四十八年になる主人公の同僚や、エベレーターボーイなど、脇役達も個性的で、魅力的。
ティム・ロビンスとポール・ニューマンの共演という一点に限っても、観る価値はある一本だと思います