8.《ネタバレ》 後半45分は早送りで最後の10分見れば充分かな?役者さんの熱演に5点。
「ぼぎわん」という伝奇ホラーを題材にした映画。原作未読。
物語の中盤までは良かった。香奈(黒木華)が死ぬまでは因果のプロットや伏線の配置は観る者を退屈させずに
画面に引きつける力とテンポもあった。しかし琴子(松たか子)本人が登場してからが全然ダメ。冗長で何が
したいかさっぱり意味不明。前半の因果も伏線もほったらかしで、地域の盆踊りのごとき除霊祭りで大盛況。
コレは別に松たか子や演者に問題がある訳では無く、脚本と演出がいい加減すぎるからであろう。
国家権力まで巻き込んで団地で除霊とかもうぶっ飛びすぎてついて行けません。日本全国から霊媒師が集まった
割には彼らは殆ど何もしないのである。ただ祈りを捧ぐのみ。ただ得体の知れないものが暴れ回っており子ども
の魂?肉体?を連れ去ろうとしているのである。そこに何の因果があるのか我々は物語を知りたいのである。
我々はただ意味も無く暴れ回る化け物が観たいわけでは無い。そこに何気ない日常生活に密着した因果や物語が
内在するからこそ、畏怖し自らを戒めたり、恐怖に苛まれるのである。ただ訳のわからない血しぶきにいくら
松たか子が格好よく対峙しようと何のカタルシスも起きないのである。
原作の評価が高いだけに残念な作品だ。
(後半の糞ディティールは中島監督なんだろうな/告白も後半破綻しかけた)