5.見方によっては深いテーマを扱っていると思うが、はっきり言ってあまり面白くはない。
特に終盤は嫌が応にもショーシャンクの想像してしまうし、見終わった後、このタイトルを付けた理由もなんとなく分かります。
冒頭のグッディングjrの写真を使ったやり取りの分かりづらさから嫌な予感がしたのだが、この監督は演出が上手くないような気がする。
出世しか頭になかったテオ、父親への愛僧が込められた複雑な想いを抱えるリン。
そして安らぎと調和の取れた生活やゴリラの家族を奪われて、「奪う者」を導いた責任の重さから自分と人間(「奪う者」)に対する怒りを抱えるイーサン。
三人の心の動きや変化、そして出会いによってどのように変わったか等、いかようにも面白くかつ感動させることができる舞台が揃っているのにそれが上手く演出がされていないと感じる。
テオは確かにマジックミラーに余裕で合図したり、「(イーサンの)心を開かせてやる」と自身満々で語っていたりしたが、受刑者に平等を与える等、元々の根が最初から真面目過ぎていて、どうにも成長や変化が感じられない。
リンは「なぜ(私ではなく)あなただけに話すの?」とテオに最初の頃は語っていたが、もっと父親への憎しみや愛情を表に出すべきではなかったか。
イーサンが持ち続けた写真への繋がりからいって大事な部分だと思う。
イーサンを演じたホプキンスの演技は評価されても良い、かなり素晴らしい出来だったと思う。
しかし、テオは「イーサンによって人生や生き方を教えられた」と言っていたが、果たしてイーサンの生き方から、この文明社会を生きるために必要な何かを教えられたことはあっただろうか。
むしろ「自由は夢ではない」と教えてくれたテオの言葉の方がより重みはあった気がする。
本当に悪くないテーマだけに勿体無いという想いを感じさせる映画だ。