1.《ネタバレ》 以前見たのは2時間版だったか、女がおかしくなって片目を自傷したことだけは覚えていた。
今回、完全版を見てみたが、3時間は長かった。
男に共感するか、女に共感するかで印象が変わってきそう。
男に共感するとしんどい。
女性にとっては女の言動や男からの愛され方に共鳴する人が多そう。
そういう意味ではどちらかというと女性向きの映画に見えるし、実際女性に特に人気があるようだ。
生きていれば自分の思い通りにいかないこともよくある。
ある程度の我慢は社会に適応するためにもどうしても必要になる。
この女はその我慢がまったくできず、激情のままに行動してしまう。
願望と現実のギャップに苦しみ、精神を病んでコントロール不能に陥ったかのよう。
そうした女に振り回されるのは考えただけでたまらない。
ただ、この男も女に依存していた。
二人の愛情は共依存で成り立っているため、現状を客観的に認めてその関係を変えることができなかった。
途中で病院に診せるなどの方法を取らなかったために、取り返しのつかないところまでいってしまった。
最後に男が女を殺してしまったのは理解できる。
許されないことではあるが、心から愛する者が廃人となって生きるのは忍びないことだろう。
男が銀行強盗に女装で行ったのは、場違いなギャグかと感じるほどの失笑もの。
病院に女装で忍び込む前フリだろうが、それにしても違和感がありすぎ。