1.デンマークに於ける「ドグマ95」の影響力をまざまざと感じた。本作はドグマ映画じゃないですけど、照明を使用しない粒子の粗い映像や、徹底した手持ちカメラは明らかにドグマを意識してる(この手法は芸術性ではなく、私にはハリウッド映画以上の「わざとらしさ」を感じさせます)。ストーリーはどうとでも解釈できる恋愛ファンタジー。私自身は素直に「妻を寝取られた作家が自分の気持ちを納得させる為に創作した物語」と受け取りました。ナレーションと時折挿入される衛星写真みたいなカットが神、即ち創造者の視点。下世話な恋愛話に運命的な一大決心やミステリアスな要素を加えることで、もう一方の当事者である自分自身(作家)をも一段高みへと上げる試みです。そんなことで、下世話な解釈を披露しつつ、5点献上。