4.《ネタバレ》 途中まで、いろんな意味でリアリティに溢れていて面白かったのですが、「電力会社または建設会社=利益優先で事故を厭わない悪者」という図式が鮮明になって以降、急速に興味を失いました。常識的に考えて、こういう経営判断はあり得ないと思います。利益と大事故のリスクを天秤にかければ、明らかに後者のほうが重いからです。航空会社が航空機の整備に手間隙をかけるのと同じです。手抜き工事等が行われていたとすれば、それは「ここはこの程度で大丈夫」という経験則があるからでしょう。
実際、システムが大げさに壊れても、チャイナ・シンドロームには至りませんでした。もしJ.レモンの行為を讃えるなら、ここは「ドカーン」と行っても良かったはずです。あくまでも推測ですが、考証の結果、手抜きによってそうなるシナリオをどうしても描けなかったのではないでしょうか。