1.《ネタバレ》 ゲイ少年の筆下ろしから、覗き、トルコ風呂、自殺・・・
相変わらず、ごった煮の日活ロマンポルノ。
傑作、名作と評判の高い本作だが、リアリタイムで観ていない分、別に普通という印象。
一方で、1970年代初頭の新宿の風景を堪能できる点は楽しめたのと、まだ人もまばらな早朝の新宿西口ビル街でシャッターが一斉に上がるラストシーンは楽しめた。
日活ロマンポルノは私にとってさほど興味のあるジャンルではないが、田中登監督の作品だけは光るものを感じる。
特に場所の選び方、撮り方が秀逸。
現場撮影を大事にしているのも良い。
それにしても、新宿西口の風景は今も昔も変わらず侘しい。
タイルが汚い。
そしてロータリーが汚い。
この汚さ、猥雑さが、ATGや日活ロマンポルノの先鋭的な作品で重宝された所以であろう。
新宿の風景と言えば、線路跡。
あれは都電の線路か?
恥ずかしながら知らないが、映画で良く使われるだけあって、素晴らしく場末な新宿的風景だ。
これもまた良く映画に使われる理由が分かる気がする。
本作に出てくる三人娘は、どれも肥満気味で、中途半端におばさんで、特別美人でもない。
それがいいのか悪いのか。
私はといえば、苦手だ。
本作で知っていた出演者は、唯一、丹古母鬼馬二だけ。
しかも、その丹古母鬼馬二はノンクレジットという皮肉さ。
私がいまいち日活ロマンポルノに乗り切れない理由は、出演者たちを良く知らないからってのが大きい。