7.《ネタバレ》 今年度の「理想の上司」は「冷たい熱帯魚」で村田幸雄を演じたでんでんさんに決定!個人的に。村田のバイタリティ、話術、そしてメリハリの利いた指導。何たって営業力が凄いもの。吉田が超だまされてるのがうける。いや、マジで怪物ですよこのおじさんは。でんでんさんはハリウッドデビューもある演技だったんじゃなかろうか。彼が大活躍する前半の時点でこれを映画館で観て良かったとうっとりすること暫し。
それに比べて社本は何だ!いつもめそめそうじうじしてプラネタリウムに逃避しやがって!そんなんでよく妙子を落せたものだな!まるで「ドラえもん」ののび太のような野郎だ。村田さんはお前のためを思ってだなあ、お前に胸を貸してやってんのに!ちゃんと自分の足で立てよ!このクソヤローが!演じた吹越満氏には全く恨みはないですが、最もイライラするキャラでした。
さて、ストーリーの前半では、村田が全く使えない社本を卓越した指導力で指導し、どうにかこうにか使いこなしながら、次々に欲張りな奴らから金を奪い、抹殺していきます。証拠も残らず消すべく、殺した奴はみんな「透明なボデー」にしちゃいます。ちゃっかり、社本の嫁である妙子もいただいちゃう村田。骨までしゃぶりつくせ!
一方、終盤はこののび太野郎がメガネを奪われたことによって急にトランスして、見境無く人をぶっ殺しまくるんですが、そうなってからはもう全っ然面白くない。まず、村田さんがいなくなった時点で画面に締りが無い。社本一人じゃ全然彼の魅力に太刀打ちできない。娘の美津子をぶん殴るところはスカッとしたが、愛子とのぐちゃぐちゃ格闘シーンで一気に冷めた。日本の映画って本当に泥とか血の中でぐちゃぐちゃやるの好きだなあ。ガタリンピックでは盛り上がれない。あれしか壮絶感とかリアル感を出す方法は無いのかと言いたい。そしてまた例によってニヒルが嵩じて逆に説教臭いラストになだれ込む。「愛のむき出し」から少しは良くなったかと思ったが、大して変わっていなかった。
でんでんさんだけに5点上げたい。次は優しいお父さん役とか観たい。すこし愛し始めてるかもしれない。