1.《ネタバレ》 慎吾の喋り方があまりにわざとらしくて不自然で、それはドラマでそうしちゃったのだから映画化でもそのままで通すしかないという事なのでしょうけれど、その不自然さも含めて、なんだか色々とバラバラな印象の映画。欲張って『男はつらいよ』的下町人情ドラマと、『踊る大捜査線』的警察ドラマとの両方を目指した感があって、でも肝心の『こち亀』らしさが映画が進むと共にどんどん薄まってしまうという。わざとらしい慎吾と他の登場人物(香里奈ともこみちを除く)との演技が全く噛み合っていない状態は、どこまでマジメでどこまでふざけているのか判らない、本気で描いててコレなワケ?って感じで。特にかなりシリアスな誘拐事件がメインになってからの本来の『こち亀』的要素が映画全体に与える不協和音はどうなっているの?って。慎吾以上に香里奈ともこみちの存在がまるっきり浮きまくっていて、ゆえにほぼ放置という扱いで、どんどん『こち亀』そのものがジャマになってないか?みたいな。クライマックスからラストにかけては警察ドラマと人情ドラマと『こち亀』のそれぞれの幕を描かなければならないゆえにやたらクドい展開になってしまっています。ツッコミどころも満載(服部時計店と森永ミルクキャラメルのネオンだけが目立つ銀座じゃ昭和20~30年代だわ・・・)、ラストの肝心な映像がCG丸出しで興ざめと、かなり問題の多い映画。ただ、深田恭子との過去のエピソードや、その娘のエピソードなどはそれなりに見られたので、全くダメ!という訳でもありませんでした。もう少しスラップスティックな笑いを入れても良かったとは思いますが。