4.《ネタバレ》 いわゆる司法解剖をテーマにしたアイデアホラー。序盤、かなり詳細かつ科学的に解剖を進めてゆく部分は、描写の物珍しさといい、そこに織り交ぜる不可解な事象の気味悪さ&深まる謎のワクワク感といい、非常に優れたホラーの快感を醸し出している。加えて肝心の死体ちゃんが、ポスターのちょっとキツそーな感じでもなく普通に柔和な可愛い子ちゃんなので(しかも美乳)、ハッキリ言ってテンションは最高潮なのである。
ところが、中盤は結構普通のオカルトもの、かつここの出来はあまり良くない。死体ちゃんの「したい」ことが何なのか分からない点では不可解系のホラーなのだが、起こる事象は要するに「他の死体がチョロチョロ出歩いてます」なだけで、その攻撃もハッキリ言って生温くて予定調和なのは明らか、何も怖くないのだ(流石にこれでは緊張感が保てないので、途中で若造の彼女を使ってテコ入れしているが、ここまで無理繰りな方法でメンタルダメージを狙うのも正直ちょっと大人気が無い)。もう一点、死体ちゃんがほったらかしになっている中盤は、致命的なまでに女子成分が足りていない(誰が爺の恐れ戦くサマなど観たいというのか)。
結局、終盤はまた死体ちゃんの所に戻って来るも、終い方が分からなくなった様なチンプンカンプンな終幕を迎える頃には、ハネ上がったテンションもダダ下がってしまった。決して見どころが無い訳ではないが、残念さの方が強い作品。