4.《ネタバレ》 -The Post- “ワシントン・ポスト紙”の事です。“ザ・ポスト”で通じるくらい有名な新聞。“ワポ”とも呼ばれてるんだって。
この新聞社を名実ともに有名誌に祭り上げたスクープが、この『ペンタゴン・ペーパーズ』と『ウォーターゲート事件』。
ウォーター~は映画の題材としてよく使われて有名だけど、ペンタゴン~って?
国の最高機密文書を手に入れた新聞社。政府を敵に回してスクープを載せるべきか、安全を取るべきか。社主と編集主幹、記者たちの葛藤。実話ベースだけど、文字に起こすとなかなかドラマチックな展開が期待できる。だけど映画は起伏が少なく、物語が淡々と進行する印象を受ける。
ちょっと、スピルバーグ監督作品らしくないなぁ。なんて思って製作者の名前を見たら、脚本&製作総指揮ジョシュ・シンガーとあった。この人“スポットライト 世紀のスクープ”でも脚本と製作総指揮してた人だ。うん、スポットライトとよく似た観せ方の映画。シンガーのカラーがよく出た映画に思えた。
音楽はあのジョン・ウィリアムズだ。年齢も年齢だし、SWシリーズの続編を除けば、今の時点で最新のオリジナル映画音楽になる。
“あの”スピルバーグ。“あの”ジョン・ウィリアムズ。そして“あの”トム・ハンクスときた。こんな名前がバババーンと出たら、凄いエンターテインメント作品を期待したくなるもの。政府の圧力。忍び寄る怪しい影。裏切り。追跡。脅迫…
そんなエンタメへの期待とは裏腹に手堅く真面目に作られた本作。シンガー味100%の本作を、どうにかして今映画にしたい。みんなに今観てほしい。そんな思いから、スピルバーグの名前を全面に出したんじゃないだろうか。
当時、何かあったのかな?2017年2月頃から制作が持ち上がったらしい。メディアの下馬評を覆してトランプが大統領になった(2016.11)直後だわ。
メディアが後押ししたヒラリーが負けた。下馬評、世論の後押しに乗っかって、自分たちで考えることを放棄したメディアの大敗。ジャーナリズムの根幹ってなんだろう?そんな疑問を世間に問う作品として、本作は作られたのかもしれない。信じるか信じないかはあなた次第です。