4.《ネタバレ》 加藤晴彦が障碍者となった苦悩をヤツ当たりや我が儘など弱さやカッコ悪さを晒しながら演じていた前半はリアルで良かった。
ところが、ステレオタイプの悪役空手家との対戦が雰囲気をぶち壊した。
素人相手ならともかく武道家との真剣勝負で合気道を描くとたちまち嘘っぽく見える。
合気道はどうみても実戦格闘技大会向きではない。
しかも経験の浅い白帯が車椅子で圧勝してしまうのだからバカバカしくてシラケてしまう。
このマンガ的茶番がなければもっとシリアスで締まった秀作になったのに。
せめて、負けたけれど舐めていた空手家を思わず本気にさせたくらいに留めて、相手に認めさせる流れにしておけば随分印象が違ったと思う。
絵空事に走らず、リアルに克服する話にしてほしかった。
実戦で空手家に勝つことが障碍を乗り越える道ではないのだから。