17.《ネタバレ》 なんか古い感じの話だな~と思ってたら、20年前の作品でしたか。
そりゃ時代が違うから、スピード感がなく、犯罪がからんでいるのにどこか牧歌的なのは、仕方がないか。
男性的で硬質なタイプの顔が苦手なので、ケビン・コスナーは苦手でしたが、この役は好感が持てました。
でも、現実にはこんなキチンとした感じのヒーロー顔の悪人はいないな。もっとどこか崩れた風貌や雰囲気になってるハズ。
そーゆう意味では、好感は持てるものの、最初から最後まで「いい人」すぎて、犯罪者としての説得力はなかった。もう少しケビンが崩れていないとね。まあ演技力不足なんでしょう。
ストーリーに不満はありませんが、なんでしょうねぇ。親が特定の宗教を信心するのは当人の自由ですが、子どもにそれを強要するのって、どうなんでしょうねぇ。
あまり行き過ぎると、洗脳や虐待に近いものがあるのかも。子どもの宗教選択の自由を阻害しているってことにもなるし。
お化けのコスプレをした少年は可愛かった。心を通わせたその少年が、見ず知らずの家族を脅すブッチを撃てたのはよかった。少年が、「何が正しくて何が悪いのか」をわかってるって事だから。お化けの衣装は万引きしたけど。
それにしても、10代の少年じゃないのに、父親が住むアラスカを目指すって、よくわからないなぁ。「親父が住む」は後付けの理由で、ただ単にどこかへ逃げ出したかっただけだったのかなぁ。いい大人になっても父親にこだわるって…アメリカ人の父親像って、そんなにでっかいもんなのかしら。イマイチ理解できないわ。
そんなガタイばかりよくて中身はまだまだ未成熟なブッチは、少年と出会わなければ、まだ自分の方が子ども気分だったんだろうと思います。この作品は、ある意味、ブッチの成長物語だったのでしょう。
クリント・イーストウッドが何の役にも立ってないのが残念でした。
ブッチが「気の毒な成育史を持った犯罪者で、根はいいやつ」と証明するために出てきて、泣けるラストシーンを盛り上げるためだけの存在でした。狙いがわかりやすすぎです。もちろん私は泣けませんでした。