1.《ネタバレ》 オープニングクレジットの後景で紙の上に乗せられた蟻の集団が映し出されるんですが、その紙の端から火の手が上がり、蟻の集団にジワジワと迫りくるんですが、さて蟻たちはどう逃げ惑うのだろうと凝視してみる だが、蟻たちは火に対して鈍感なのか、逃げ惑うことがあまりなく、一匹二匹とまるで自然の結果であるかの如く、高温接触で焼け縮まり、その姿全体が火の手に呑まれてく。結果、両端から迫りくる火の手に一匹残らず焼け尽くす。
このオープニングを見た瞬間にこの蟻たちを我ら日本人に例えて見るべしという事なのだろうか、だとしたなら、迫りくる火の手は仮想アメリカなのかという目線で見ましたが、なんや、話はかなり複雑、ロシアだドイツだ中国だ、それにも増して北朝鮮だのキューバだのベトナムだの全世界参加型の話へと突飛してしまい、残念ながら集中力下落。
だが、宇野重吉さんと、分かりやすく落ち着いたスローな展開、モノクロでありながら、色がしっかりと見易く取れる優秀な照明と未だ全く色褪せていない撮影フィルム、そこに対して敬意を評したく思えます。