5.相米監督の遺作!ということで身構えてしまうが、遺作なんてものはこの世に置いていかれた側にとって遺作なのであって、本人はあの世でもせっせと作品を仕上げているんだろう。
だから、遺作が作家の個性の集大成になるわけではない。遺作という先入観があったせいか本作は相米色(思うに長回しのシーンや可愛げのあるチープさ)が控えめな気がした。映画評論家は例外的作品も、うまく作家史の文脈に位置づけるだろうが、いち映画ファンとしては相米監督の寛容なサービス精神にただただ感謝するのみです。
酔っ払う浅野は非常に自然な演技だった。ベスト酔っ払いアクターです。