1.《ネタバレ》 話はほぼ『あなたへ』と同じ。アレの旅が石塀作りに代わったようなもの。
夫婦二人の静かな北海道生活。まー邦画にありがちなリアリティのない甘ったるいスローライフな世界。幾ら都内(蒲田)とは言え、親から継いだ工場を手放して借金返済した上で北海道に新築一戸建ての広めな土地を購入して働きもせずに老後過ごせる、ねえ、無いよねぇ。車プリウスだし。軽に乗って細々と暮らしてゆくのが精一杯でしょうねぇ。
でもまあシネスコ画面に広がる北海道の景色はいいですし、役者も悪くないですし、あとはセリフを5分の1にカットして、ベタベタとした音楽も5分の1にカットして、説明的な映像を半分にすればいい映画になるんじゃない?みたいな感じ。
とにかく全部セリフと音楽で説明するものだから、別に映像なんてほとんど無くたって話としちゃ成立するんじゃね?って。真珠のエピソードなんか全部先読みできるの。ああ、じゃあ毎年1つずつなんだな、で、あの時に盗まれたんだな、みたいな。新しいモノを見るのではなくて確認作業をしているような感覚。
作る側が「見る側のアタマの程度はこの程度だから」みたいに思っているので親切にコマゴマ説明した作りになるんでしょうけれど、子供だって判るハズの『インサイド・ヘッド』に対する理解力を見るに、本当に日本の観客は何から何まで親切丁寧に説明されないとダメになってきてるのかもしれませんね。アニメも含めて邦画全体がそういう作りになってきている気がしますもん。
そのうち日本で上映される映画の画面には「この後想像を絶する大事件が!」みたいなキャプションと映像見て判りやすいリアクションとるタレントの顔が必要になってくるのかもしれませんね。