1.《ネタバレ》 個で戦おうとする千早に対して、個人戦であってもチームとして支えようとする瑞沢高校の面々。
ノートを渡すという形で思いを繋ぐ北央学園。
一人で戦うのではなくチームで戦うという事を伝えようとし、繋がりを尊重としたいというのは理解できる。
ただそのメッセージを強調すればするほど、対比として個で戦う若宮を悪としようとしすぎなのではないか。
原田と新の会話、若宮と新の会話からは説教臭さ、団体=善、個人=悪という構図をどうしても感じとってしまう。
自分がかるたを誰よりも純粋に好きであり、みんなで何かをしたいという手段がかるたであるに過ぎない、という若宮の主張も自分には理解出来る。
そしてその主張は今の日本におけるハロウィンの現状やサッカーのW杯においての騒ぎ方に対する居心地の悪さに通ずるものも感じる。
だからより一層、二元論的な決めつけに違和感を覚えた。
ただ緊張と緩和のコメディー要素、若宮の圧倒的な存在感は素晴らしく、若宮と千早の対決は動作の一つ一つが美しくも迫力がありとても見応えがあったし、二作合わせて観れば青春映画として素晴らしい作品である事は間違いないと思う。