3.《ネタバレ》 誰しもが思う大怪獣を倒した後どうするのか。そんな疑問を映画にしてみました。
やっぱり倒すよりも後片付けの方が絶対に時間はかかる。そこの部分をとりあげるのはいいし、映画にするのはいいけれど、
それを作るにしても人選というものがある。なぜそれまで半径3kmのスケールと最大7人くらいの人間関係のヘンテコ映画しか描いてこなかった三木聡にこんな大スケールのお話を任せたのかはわからない。それこそこの映画の最大の謎だ。
そして展開される話はシン・ゴジラ後にあるプロフェッショナルな人々の真面目なお話に見せかけた総理と大臣で織りなすめちゃくちゃな計画と失敗と責任の押し付け合い。ウルトラマンのスカイドン回を思わせる作戦と失敗の数々に驚くぞ。
それがまぁ岩松了、ふせえりが大臣をやっているところで気づくのです「あ、いつもの三木聡映画だ。」と。
この三木聡映画ほぼ皆勤賞のおっさんとおばさんを使う時点でこの映画が真面目に作られているわけがなく、出てくる出てくる相変わらずのしょーもない下品な小ネタの数々。しかも今回はちょっと前にあった政治ネタを使ったりしちゃってスベり気味だ。
というかこの人のネタはやはり場末の怪しい下町でやったほうが似合っていて政治家とかにやらせるべきじゃないんだよな…。
本作の見どころはやはり役者の数々。菊地凛子にオダギリジョー、二階堂ふみ…というかコレも三木聡映画の同窓会状態。こんなにオールスターにするなら松尾スズキも入れて欲しかったな・・・。
ちなみに特撮とかCGとかも頑張っているけれど見どころがそこになりもない分、なんともかんとも。
というわけで中盤の作戦はどれもグダグダで、オチは「最初からそうしろよ!」というコチラがツッコミを入れなきゃいけないぶん投げで終わり方でなんとも言えない気分に。しかもやってることが円谷で東映がやることじゃないじゃん!
まぁ三木聡映画とわかっていても、スケールの大きさと三木聡映画との食い合わせは非常に悪いということを一応怪獣というジャンル映画で証明してしまった本作。知らずに見に行ってしまった人が気の毒としか思えない映画になっていました。三木聡映画が好きな僕でも今回は正直残念な映画ですね。