1.金子正次の熱意と執念は伝わってくるが……。わりと話の流れもイイし、カメラや編集も悪くない。これだけのモノを極々超々低予算で撮り上げた心意気は立派の一言。ただねぇ~、竜二の生き様には頷けないなぁ。古い仲間のピンチに金を用立ててやれず、女房子供が肉屋の安売りに並ぶ姿に自分が許せない…。それを“男のプライド”と言えば聞こえは良いが、その実はただの“甘え”だからねぇ。もし自分が世間知らずの10代の頃に観てたらカッコイイと言ったかもしれんが、今はねぇ…。世の中の多くの人はそうやって生きていってるんですよ。そしてそんなチンケなプライドのために嫁さんに背を向けてヤクザ者に逆戻り。アンタの妻子への愛情はそんなモンなんかい? と訊きたい。永嶋暎子が健気な奥さんを好演してるが、あの奥さんにしてもご都合主義ココに極まれり! ってなまでに理想の女性像。あんな女いないって。(^^; まあ、映画としてはホント可も無く不可も無く、な作品。あっ、あと最後に一点、セリフが聞き辛い所が数カ所あって、金子の滑舌の悪さが非常に気になった。