1.ここらへんの映画を見ると、もう懐かしさが先に立っちゃって、軽薄さすら美しい。中村晃子ですら角度によってはかわいいのだ。悪玉内田朝雄の娘やった人、なんて言ったっけ、尾崎奈々? 懐かしいなあ。ジャガーズが歌ってる上のほうの階で意味もなくゴーゴーを踊ってた青山ミチ、スチュワーデスの東山明美、さらに泉アキ、当時は許せなかった面々も、今なら許せる。そうそう、円楽が星の王子さまで売ってたころなのね。横浜ドリームランドのロケがあるが、前年の日活映画「夢は夜ひらく」で園まりと高橋英樹が別れるのもここだった。東京オリンピックから大阪万博へと向かうこの時期、大型レジャー施設が次々と生まれ(ドリームランドは64年開園)、遊び慣れてきた若者たちを呼び寄せようと映画でタイアップした企画が流行していたと思われ、66年の松竹映画「恋と涙の太陽」では、富士急ハイランドで橋幸夫と倍賞千恵子(どちらも当時はアイドル)の恋も芽生えるのだったが、ちょっと話が脱線してますね。ジャガーズ映画に戻って後半、南の島に舞台が移り、ミリタリールックやゲバのヘルメットが元日本兵の鉄かぶとと対照されるあたりに、脚本小林信彦の匂いがただよったか。