3.《ネタバレ》 伝記ものなので予想はしていましたが、堅苦しくて面白味に欠けます。
また、ボビー・フィッシャーが精神に異常をきたしていったというエピソードを知らないまま鑑賞してしまったので、あまりに横暴なボビー・フィッシャーにさすがにイライラさせられます。
弁護士や神父が、イライラしながらも、大人の対応でボビー・フィッシャーを支え続けてくれるので、まだなんとか我慢して見ることができました。彼らもボビー・フィッシャーという人間ではなく、彼の類まれなる才能に魅了されてしまったが故に、多少のことは我慢することができたのかもしれません。それほどの才能を生まれながらにして持っているというのは羨ましい限りです。
また、ボビー・フィッシャーがスパスキーに初勝利を収める卓球室での第3局。史上最高の試合と評される第6局。チェスのことをよく知らなくても、この2試合のシーンは否が応にも盛り上がります。音楽や雰囲気、演者の演技によって『何かすごいことが起きている』というのが誰が見てもわかるように演出されているようです。
実話をベースにしているらしいので、限界はあるかと思いますが、ボビー・フィッシャーが精神を病んでいく様子ばかり見せるのではなく、もっとチェスプレイヤーとしての活躍を見せてほしかったものです。『完全なるチェックメイト』という邦題から、バリバリのサクセスストーリーを期待してしまいました。