1.《ネタバレ》 近年は女性を主人公とした映画が印象的なスティーヴン・フリアーズですが、
風景も、1つのクルマで旅をする3人の男と1人の女、
4人の誰もが理解し合おうとしない乾ききった世界観と雰囲気が全編に漂う一風変わったロードムービー。
どう見てもプロの殺し屋らしくないジョン・ハートと、その子分のいかにもというチンピラのティム・ロスの2人。
この2人がパリのボスの元まで連れ帰るかつての裏切り者で、妙に達観した死生観をもつ男がテレンス・スタンプ。
しかし、いざ銃を向けられるとオロオロと命乞いをする。彼らが見せるギャップが物悲しさを誘う。
この3人だけでは地味すぎると思ったのか、巻き添えのような形で1人の女が旅に加わりますが、
彼女の存在意義が今一つ感じられず、どうして彼女が生かされたのかも謎。
決して嫌いではない空気を持ちつつも、彼らの行動に釈然としない部分も多々感じる作品です。