1.《ネタバレ》 クリストファー・プラマーを代役に据えて急遽撮り直したことが原因かどうかは定かでないが、全体的にテンポが悪い。誘拐された孫の状況と、その母親が誘拐犯と大富豪の義父の両方と交渉する過程が並行して語られるが、さらっと話が進むので状況をただ眺めるだけのような気分になる。見せ場がとくにないマーク・ウォールバーグの代わりにミシェル・ウィリアムズは頑張っているが、映画の核になるには弱い。やはりケビン・スペイシーがゲティ役を演じてこそ、振り回される回りの人物たちが活きて、この映画の本質が深められたのではないかと惜しい気がする。