1.《ネタバレ》 B級ホラーと小津安二郎はどれを観たのか分からなくなる、のですが、今作も「あれ、コレ観なかったっけ?」と思ったら『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』の10年越しの続編なのですね(そっちは昔観ました)。しかし、続編であることに意味があるとは到底言えない作品です。何しろストーリーらしいストーリーは疎か「何故、何が、誰が」という意味での因果関係というものがまるで見当たりません。ここまで尽く「理由」というものが分からないという作品は、あまり記憶に無い程です(その意味では逆に新鮮に感じるかも知れません)。
率直にその点をもって、本作を酷評する向きがあるのは至極尤もなことでしょう。かく言う私も、本作を映画として一定以上に評価するつもりは毛頭ありません(非合理的な行動も度を越すと、逆にリアリティが損なわれ、怖さも薄まるように思います)。ただ本作、まず残虐描写の映像面での質自体はまずまず高いです。そして前述の通り、潔いまでに不条理に大切な家族がバタバタ殺されていくという痛烈な非情さがそこに乗っかってくることも含めて、スラッシャーとしての見応えにはかなり優れたものがあります(特にテンポが良くなる終盤は相当に面白く観れます)。ホラー上級者なら是非観ておくべき作品だと言えるでしょう。