1.《ネタバレ》 武漢コロナウイルスが怖くてだいぶ迷いましたが、意を決して見てまいりました。
予告編の印象では、邦画にありがちなお涙頂戴シーンや過剰な演技がてんこ盛りで、残念な仕上がりを予想しておりましたが、どうしてどうして。次々と起こる危機に息もつかせぬシーンの連続で涙ぐむ暇さえありませんでした(中盤までは)。
やがて多くの社員に退避命令が出て50人が残ることとなり、いよいよ「Fukushima 50」の本番かと思いきや、なぜか皆、お菓子など食べて和みだし、これまでの緊張感溢れるシーンは砂糖菓子のようにグズグズに溶けてそのまま家族再会と桜並木に流れ去ってしまいました。「えっ?これで終わり?あの後も続いた危機は?東京消防庁のハイパーレスキュー隊は?コンクリートポンプ車は?」と私の頭は大混乱。でもこの映画はそんなことなかったかのように、唐突感満点で終わってしまいました。
Fukushima 50って危険な状況でお菓子を食べた人たちのこと?まさかね。
現場の東京電力社員はよく頑張ったとは思うが、少々美化されすぎのように感じる。吉田所長だって、危険と分かっているのに、本店から言われると部下や自衛隊員に屋外作業を命じ、3号機の爆発で多くの負傷者を出してしまった。死者が出なかったのは運が良かっただけだろう。指揮官として大きな重圧に耐えたことは分かるが、吉田さんだったから危機を救えたのか?東電社員50人のおかげで危機が救われたのかというと、クエスチョンマークがたくさん並ぶ、やや後味の悪い映画でありました。