5.各登場人物にはモデルが居るようだが、ローマカトリックはファシスト政権とは良好な関係にあったわけで、本来イデオロギー的にも対立関係にある共産党系レジスタンスを支援する司祭というのはかなり異色な存在であることには留意すべきだろう。とはいえ、人間とはグレーな存在であり、ナチスに協力するイタリア人もいて、人間の行動は白黒がつけにくかったりもする。よって、司祭の中にもナチスに協力的な人もいたはずで、その辺キリスト教とファシズムの関係性についての描き方は一方的で弱かったように思う。かなり共産党イデオロギー色の強い作品ではあるが、そういうことを割り切って類似的な事象があったと想像して見るならば、ひとつの歴史的事柄を描いた作品であるとは言える。