6.《ネタバレ》 いやあ・・微妙。はっきり言うとサスペンス部分は設定も演出もポンコツ。人物の相関も分かりづらいし、誰が何の動機で行動してるのか後になって考えてみてもピンと来ない。オマージュだというヒッチコックばりのどきどきは皆無です。
まあ脚本が死んでても雰囲気でなんかいい感じに仕上がる作品もありますよ。本作だってファニー・アルダンとトランティニヤンですからその可能性も多分にあったのに、キャラ付けが失敗しちゃっているのでせっかくの逸材がパアではありませんか。
アルダンの役どころはもっと軽くて若い「探偵ごっこ大好き」なお嬢さんが務めるべき。アルダンでは分別のある大人にしか見えないので、なんでそんな馬鹿な行動をするのか観ててしっくりきませんし、トランティニヤンは単なる粗暴な頭の悪いオヤジ設定しか与えられてません。こんな男にアルダンが惚れるわけない。
つまり話がすっと入ってこないうえ、人物らのやってることはさらに?が付きまくる残念映画なのですがそこはトリュフォー、画は綺麗に撮れています。女性の脚をやけに映すのにはスケベ根性も伺えるけど、アルダンのプロポーションは素晴らしくて眼福ではありました。