3.《ネタバレ》 当方の無知が悪いのかもしれませんが、長いわりにいろいろ説明不足な感じ。そもそもなぜコンゴで医療に携わりたいのか、そのためになぜ修道院なのか、ジーンとかいうダンナ(恋人?)との関係は? 等々。話としては単純で展開も妙に早いのですが、ディテールがよくわからないためにモヤモヤ。
それから各ステージで相応の人物が登場しますが、いずれも深くは描かれません。せいぜい父親とかコンゴの医師ぐらいで、他はサラッと通り過ぎるだけ。だからドラマとしての深みや重みが感じられないというか、感情の揺れが小さいというか。
それにしても修道院の厳しさには驚かされます。あれほどストイックというかマゾヒスティックに自分を追い込んで、いったい何を得られるのか。むしろ思考停止に陥って従順な宗教マシンのような人間になるような気がします。そんな歪な世界を描くのが、この作品の意図の1つだったのかもしれませんが。
でも唯一、ラストシーンだけはよかった。正式名称は知りませんが、あの白い〝顔出し帽〟のようなものを脱いでショートカットの髪が顕になったとき、やっと世俗に戻ってきたんだなあと。躊躇なくドアを開けてスタスタ去っていく姿も印象的でした。まあ結局、オードリー・ヘップバーンだから成り立った作品なのでしょう。