1.日常生活の中に実は蔓延している些細な“笑いどころ”を、抜き出し、唯一無二のコメディに仕立て上げる「業」において、今三木聡は独壇場だと言える。
限りなく意味の無い“可笑しさ”のオンパレード。そのストーリーも限りになく無意味に近い。しかし、この監督の作品には、そのギリギリの部分で物語性を含み、感情を生む。
弾けとんだキャラクターたちは不思議な魅力に溢れ、物語が進む程に愛着が生まれる。
結果として、愛すべき作品、愛すべき映画へと進化していく。
しょうもなさや毒々しさを多分に含んだコメディなのに、最終的には何故か小気味良い“爽快感”に包まれる。
これはもはや、新しいエンターテイメントの形と言えるかもしれない。