4.《ネタバレ》 醜悪な老女が画面いっぱいに暗躍する内容で、終始、気色の悪さとの闘いであった。
姉と妹の恨み辛みを、長めの尺でたっぷりと描く、地獄絵巻。
しかし、途中の展開に無理があり過ぎたのが難。
幽閉された姉だが、半身不随で車椅子なのは分かるが、階段は一度車椅子から降りて、這いつくばって階段を一段ずつ降りれば良いと思うのだが、何故だかそうしない。
手すりにもたれて階段を降りるのは至難の業。
頭が悪いというより、「抜け出せない」という状況を都合よく無理矢理演出しているように感じ、幻滅した。
安っぽいテレビドラマのように、そもそも何事もタイミングが良すぎ!
妹の帰ってくるタイミングが良すぎだ。
そして、姉はもっと早くに警察に助けを求められたハズ。
「逃げ出せない」、「警察に連絡しない」、「妹が帰ってくるタイミングが良すぎる」などなど・・・“姉が幽閉されてこわ~い。逃げられな~い、どーしよー。”という演出が、都合よく展開されすぎて興ざめになってしまった。
そんな序盤から中盤に嫌気が差しつつも、最後まで観た。
そして、あの浜辺でのラストシークエンス!
これは衝撃のラストだった。
なんというか、今まで室内劇が中心だっただけに、姉妹が浜辺で過ごすラストは、幻想的なまでの眩しさを感じた。
素晴らしいインパクトを残すラストだ。
終わらせ方も、また格別。
妹は、最後まで自分の幼い頃の幻影を追い続ける。
なんというもの悲しいラストシーンだろうか。
そして又、結果として姉が助かるという落とし方も、微妙にハッピーエンドで、アメリカ映画的であった。