3.1940年代後半にアメリカ自動車業界に話題を巻き起こしたタッカーの伝記的作品です。いい映画だと思うのですが、今一つ燃えないのは、敵が、すべて小役人、小物臭が強くて、しょぼいところですかね。敵キャラが分散されていて、強烈な個性があるわけでなく、すべてが、先見性や独創性をバカにする保守的な人たちで、金儲けや地位にしか興味がないといった分かりやすいステレオタイプ。実話の再現としてはあまりに単純化され過ぎてしまっていて、深みがないかなと。映像技術的には、距離的に離れて同時に起こるシーンをシームレスにつないだりとか、シーンの切り替え部分をシームレスにつないだりとか面白いけど、あまりテンポが良い感じもしなかったので、トータルで見ての効果は疑問でした。タッカー役は、特有のふてぶてしさがとても良いと思いました。ニンマリとした笑いの裏からにじみ出る苦々しさみたいなのが良い。奥さんはぱっと見美人だけどよくみるとそうでもない。娘はかわいい。