9.思えば10数年前、TVの深夜枠でひっそりとスタートしたトリック。
これほど10年以上に渡り何度もシリーズ化され何度も映画化されることになるとは当時の関係者も思わなかったでしょう。
開始当初からの「トリック」の味でもあったすべり芸にも似た微妙に寒いギャグやパロディ。
僕は村上ショージに代表されるような寒いすべり芸が大好きでして、
いくらシリーズがヒットしようともこの作品の空気を徹底して変えなかったのが嬉しかった。
そしてこのラストステージに、その村上ショージ師匠を登場さるあたりには
本シリーズのうすら寒い笑いへの変わらない愛のようなものを感じました。
さて、本作のお話の方にはもはや新鮮味は何もありません。
まあ、こんなものかと思って見ていたら、最後の最後にやられましたね。
TV版、劇場版を通して上田がここまで素の自分を見せたことは無かったのではないでしょうか。
もうこのシリーズの新作は見れないのかなと思うと淋しさもあるけど、
「うん、きっとこれでいいんだよな」と思わされるラストの2人の姿でした。