1.ふとした所で、重なってゆく人生。テーマも「人生において偶然訪れた大切な出会い」という類だが、その繊細なプロットを表現する技法として、恐らく原作小説では叙述トリックに類する緻密な工夫が施されているものと推察する。
しかし、それを映画で再現してみると、展開運びに若干の意外性がもたらされるものの、それよりもとにかく話もキャラも薄くて軽い、という印象(それは逆に「軽やかさ」とか「肩肘張らずに観れる」というストロングポイントだと言えるのかも知れないが)。個人的にはも少し深くて歯応えの有る話の方が好き。ただし、入れ替わり立ち替わり色んな俳優が登場しては次々と軽妙な芝居を披露していくというテンポの良さとバリエーションの多彩さはまずまず面白く、少なくとも2時間が退屈だということは決して無い。
全員が脇役みたいな立ち位置だが、中でもMEGUMIと原田泰造(あと多部ちゃん)は良い脇役芝居で好印象。ほっこりグッドエンドな終い方も含めて、デートムービーにも最適な一品。