《改行表示》22.《ネタバレ》 -The Piano- 世の中に沢山ピアノがあり、演奏技術のあるエイダは当然どんなピアノでも弾けます。このタイトルの“The”は定冠詞と言うそうで、どのピアノの事を言っているか、視聴者に特定できるようにする表現です。 劇中、確か3台のピアノが出てきましたが、この映画のタイトルは“あのピアノ”で良いと思います。 “あのピアノ”はエイダの声であり、自分の体の一部であり、心を開放する手段でもあるようだ。 稲光の走る鉛色の曇り空と、荒波の海岸に放置されたピアノのダークな美しさ。 渋々案内した海岸で、ピアノを弾くエイダの開放感溢れる表情を見たベインズが、自身の財産である土地と引き換えにあのピアノを、ピアノを弾くエイダを“手元に置く権利”を手に入れたくなった気持ちがよく解る。マイケル・ナイマンの『楽しみを希う心』の何と美しいことか。 スチュアートが時間を掛けて、エイダとの距離が縮まるのを待つ気持ちは解るし、一般的には正しい手順だと思う。だけどエイダはあのピアノを弾いている自分、心を開いている瞬間の自分を好きになった、ベインズの方に惹かれてしまった。 ベインズに会うことを禁じられたエイダ。スチュワートの気持ちを考えると穏便な措置だけど、駆け落ちをするでなく、娘のフローラを通じて鍵盤を届けるということは、今後は心を閉ざして娘とともに生きていく。ということだろう。まさかのフローラの裏切りは、子供のすることとはいえショッキングだった。 あのピアノは彼女を海に引きずり込む。果たして彼女がピアノを必要としていたのか、あのピアノが彼女を必要としていたのか。 エイダの生きたい気持ちが、あのピアノを振り解き、海面に上がる力を与えた。 最初「原住民に釜茹でにされたほうがマシ!」と断った“北の町”での新しい暮らし。義指を付けて普通のピアノを弾き、徐々に声を取り戻し、ベインズに微笑むエイダ。彼女にはもう、あのピアノは必要ない。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-19 22:40:21) |
【JF】さん [DVD(吹替)] 6点(2015-06-25 20:37:04) |
《改行表示》20.《ネタバレ》 ●屋外の撮影が、けっこう美しい。●‥‥しかしいったいなぜ、ニュージーランドのマオリ族などを持ち出してしまって、そこに西欧起源の楽器を持ち込むなどという、まさに侵略主義的な視点がしのびこんでしまうようなあぶない物語にしたんだろうと、ちょっと疑問に思ってしまう。どうもここは、一方がことばをしゃべれない、そしてもう一方は字を読めないというかんけいをつくりたかったのだろうというのと、やはりラストにピアノを海に沈めたかった、ということなんだろう。 ●海に沈んだピアノはたしかに美しいファンタジーだし、物語ぜんたいもファンタジーとして読みとってほしいのかも知れないけれども、どうもやはり、生々しすぎるところが気にはなる。‥‥男として、この物語のふたりの男のことを考えると、たしかに正当な夫であるサム・ニールはピアノを海岸から動かそうとしなかったし、どうもどこかうわべだけの「いい人」でしかなかったようには受けとめられる。一方のマオリ族の男のハーヴェイ・カイテルは、とにかくはヒロインのホリー・ハンターにはピアノがひつようなのだ、ということは理解していたわけで、そのことを「駆け引き」の材料にするという気概はもっていた、というか。もしかしたら、ホリー・ハンターにしてみれば、「駆け引き」をもちかけられるということに、自分の存在を承認し、求めるという行為に惹かれたところもあるのかも知れない。ハーヴェイ・カイテルが彼女と関係を持ったあとに、「あなたを娼婦のように扱ってしまった」と、悔いるところがいい。 ●ホリー・ハンターは、前半と後半でまるで顔がちがってみえる。前半からの筋張ったきつい表情はハーヴェイ・カイテルとの関係を持つことで和らぎ、ラストでは笑顔までみせるようになる。サム・ニールにはかわいそうな映画、だった。 【keiji】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-29 12:42:16) |
《改行表示》19.多少説明不足でも独特な雰囲気がある映画は嫌いではない。作品の雰囲気に流されやすいタチでもあります。でも、本作に関してはエイダとピアノにまつわる過去など彼女の心の闇をもう少し感じたかった。ハーヴェイ・カイテルの「君のことがよく分からない」という台詞がありますが、それに関しては僕も全く同意見で・・・。 主人公の心の闇、雨、曇天、泥濘、鬱蒼とした森・・・暗い雰囲気が支配する作品の中で、本作のMVPは映画初出演のパキンちゃんでしょう。ハーヴェイ・カイテルもいいキャスティング。何をやっても味がある人ですが、よく分からない人物像やヘンな奴とがよく似合う俳優さんです。オールヌードになった時は「またか・・・」と思いましたけどね。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-07-04 21:05:28) (良:1票) |
《改行表示》18.てっきり感動作かと思っていたので、お話の内容と展開にはちょっとびっくり。 一応不倫ドラマなんだけど、昼メロのような下世話な雰囲気は感じさせない作りになっていて、 そのくせ妙に生々しくてエロチックで、変わった映画だなという印象。 ヒロイン役の女優さんは良かった。演出もいい。何を言いたいのかわからない所もあるんだけど、 ストーリー云々よりもインパクトのある映画だった。欲を言えばこのヒロインのキャラ設定なら、 ピアノで彼女の心情を表現するシーンがもっと欲しかったかな。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-06 08:45:58) |
17.《ネタバレ》 ピアノは決して解放じゃないのよね。人の世と別の世界への解放であって、閉じた場所での安息ってことか。ピアノは言葉の代わりにはならない。ベインズがエイダにとってピアノが重要であることを直感で知るのは、彼が文字を読めないことと関係があるんだろう。ピアノは彼女の安息の閉じた箱なのに、それを取り戻すレッスンのために彼女が開かれていってしまうあたりが話の中心。音楽は鍵盤を指が触れて生まれるもの、その鍵盤がまず取り外され現実の愛へとかわり、その代償に指も取り外されるわけ。とにかく海辺のピアノという情景が優れており、ジャングルの濃密な空気はあまり感じられなかった。浜辺で娘が踊るとこがいい。あの娘は単なる通訳じゃなく、同志のようでもあり、また批判者にもなり。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-03-08 12:21:06) (良:1票) |
《改行表示》16.ふとしたことで、この映画の音楽を知り虜になった。またその映画がアカデミー賞の主演女優と助演女優の賞を得たことも・・・。探し求めてDVDを購入し、鑑賞。 映画の中のホリー・ハンターはすばらしかった。アンナ・パキンもかわいかった。しかし、ニュージーランドの暗い荒波のように、私の心はすっきりしなかった。 この映画の脚本・監督は女性、登場人物で好感を持てるのも女性、キャストで賞を得たのも女性、さらにこのレビューで高得点を付けているのも女性・・・。男の私は入り込む隙間すらないのだろうか。 浜辺にポツンとおかれたままのピアノ、運ぶ荒くれものの男たち、ピアノは大丈夫だろうかと別の方が気になってしまった。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-03-02 08:02:19) |
15.音や映像はカンピオン作品でも随一といえるものでしょうけれど、内容がいいとは思えません。悪い意味で文学的・映画的でキャラクターは偏屈で勝手な人物ばかり。カイテルとニールの役が逆だったらまた違ったかもしれませんが。即物的なラブシーンも要らないし、女性監督が女性を描く場合思い入れが先行して魅力あるものにはなりにくい気がします。陰惨で重ったるい雰囲気がパキンちゃんの海草ダンスで救われていますが、一番よくないのはピアノのイメージが下がっちゃうこと。不可解で難解なものをよしとするマニア向き。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-10-16 00:20:42) (良:1票) |
14.映像と音楽は申し分がないくらい美しい。そして、ホリー・ハンターとアンナ・パキンの演技が素晴らしい。ホリー・ハンターはセリフがない役柄を表情と仕草だけでよく表現していたし、アンナ・パキンはとてもこれが始めてとは思えない才能を発揮している。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-08-06 23:25:39) |
《改行表示》13.かなり評判の高い作品ですが、全体的なリズムに乗り切れずでした。 それにしてもハーヴェイ・カイテルはむやみスッポンポンになり過ぎ! 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-11 08:47:19) |
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【junneisan】さん [ビデオ(吹替)] 6点(2006-03-10 14:52:25) |
11.何かエラくかわいそうな話でした。ちゃんちゃん。って感じ。とりあえずサムニールがムカついて終わりましたよ。でもやっぱり大好きなハーヴェイがかっこよかったんでイイですvv最後に…ハーヴェイ、顔に何か書いてる?なんて…ごめんなさい・・・・・・ 【Ronny】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-06-02 14:20:45) |
《改行表示》10. ニュージーランドの初期開発時代。ピアノに纏わる一人の女性の物語。 時代風景と風俗は面白いが、ストーリーはいまいち理解できず。 特に出鼻の再婚?動機・・・ 【ご自由さん】さん 6点(2004-06-15 21:55:08) |
《改行表示》9.映像は確かに驚くほど美しいものであったが、ストーリーは多くを語らないタイプの映画なので、ちょっとイマイチな印象を受ける。 自分の言葉であり、また命でもあるピアノと主人公の関係に対して二人の男性がどう絡んでいるのかがポイントでしょう、この辺を頭に入れて観ないと共感できるかどうかが違ってくると思われます。 サムニールは指を切り落としピアノとの決別を図る、カイテルは強引にピアノを船に乗せ、最後まで守ろうとする。 そしてハンターは指を失い、命であるピアノが海に落下した時に自分もそのまま海の藻屑と消えて、何も変わらない以前のままで死ぬかどうかの選択があった。しかし結果は言葉を練習しピアノも忘れないという新たな自分・生き方を選択するというストーリーは確かに感動できるものではあったんだが…ちょっと受けとめ方が難しい映画。 |
8.物語としてはそれなりに面白かったけど、登場人物の心情がイマイチ描ききれてないように感じた。特にエイダが何故そこまでベインズを愛するようになったかが、ちょっと理解出来なかった。 【Fuzz】さん 6点(2004-02-29 19:04:05) |
《改行表示》7.《ネタバレ》 ピアノを海に捨てる時、主人公自分から足絡めてたんだねぇ・・・気付かなかった。 どうりで海の中での行動が理解できなかったはずだ。 主人公の女の人はホリー・ハンターの熱演も伴って、女の私から見ても凄く魅力的だった 【ヒョー$】さん 6点(2004-02-28 11:08:12) |
6.独特の雰囲気があり「よくわかった」とは到底言えない作品だが、しかし主人公の激しい感情の起伏は痛いほど伝わってきた。 また、あのマイケル・ナイマンのピアノ曲が良く、単純な私は観た後すぐに彼(彼ら?)のCDを買った。(脱線するが、あの曲以外はいまいち) ちなみにあの曲を今思い出そうとすると、なぜか「禁じられた遊び」や坂本龍一の「エナジー・フロー」のメロディーになってしまい、ちゃんと思い出せない・・・ 点数ですが、本作品はやはり女性向けの作品だと思うので、貴方が女性ならプラス2点。 【じゃん++】さん 6点(2003-08-19 05:45:53) |
5. とにかくアンナ・パキンの演技に驚かされました。ただ作品にはあまり共感することはできませんでした。 |
4.最後にはすっきりしました。好きになるのに強い理由なんかないことだって多いですよね?官能の世界から愛の深みにはまっていくこともあるだろうし、特別、二人の感情の描写が不足していたとも思えなかった。でも、彼女がピアノとともに水底におちていくべく足をロープに絡ませたとき、うちのだんなは「この女、男の気持ちをなんと思うとるんじゃあ!」と激怒してました・・・・。男の人にはなかなか納得いかない映画かも。でも、サムニールがどれだけ彼女のことを愛したというんだろうか?カイテル好きだけにちょっと味方・・。 【みんみん】さん 6点(2003-04-30 22:27:42) |
3.ストーリーはどうでも良いんですがサントラは買いました。「楽しみを希う心」も良いんですが私は「奥深い森を通って」や「旅立ちを夢見て」の方が好きです。ベースは一緒ですが。 【あっちゃん】さん 6点(2002-03-02 01:23:20) |